結論
結論から言って、テレビ版のカタルシスを超えることは出来なかった。
劇場版という尺の都合と多大な登場キャラクターのおかげで、広く浅く、焦点が分散してしまった印象を受ました。ぶっちゃけ、テレビ版の原作者(ラスボス)を倒す展開に酷似したストーリー展開であることは否ません。また、序盤でララランドのようなミュージカル要素があり賛否両論である。
劇場版の良かった部分
テレビ版の世界から4年の月日が経過している設定のため、登場人物の成長や変化についてはかなり楽しめた。ストーリーも、SHIROBAKOの根底がアニメを作るお話しであり、今回は劇場版アニメを製作するお話しと王道展開で納得はできました。映画の最後は「空中強襲揚陸艦SIVA」の上映。重低音の音響もかなり良かった。
劇場版の大まかなストーリー
武蔵野アニメ会社がオリジナルのアニメ製作に失敗、社長は退職し従業員も他の会社に散らばる。そんな武蔵野でまだ頑張る宮森。本当にやりたいことが出来ず、仕事を続けるかどうか悩んでいた社会人4年目、武蔵野に劇場版アニメ製作というチャンスが舞い込む。かつての武蔵野の仲間を呼び戻し劇場版映画を作り上げる。それが今回の劇場版。
見所や気になったところメモ
宮森のお姉さんに子供
宮森仕事が激務でお部屋はビールの空き缶だらけで大荒れ
久乃木さんとえまちゃんがまさかの同居でぷち百合展開
づかちゃんはケーブルTV出演
東堂美沙はバリバリ3D仕事
今井みどりは脚本家として舞茸しめじ師匠の商売カタキに
社長は退職して小さいBAR経営
渡辺さんはプロデューサーから社長へ
本田さんはまさかの体型が元通り
遠藤さんはすねてゲーセン通いニートになりそれを支える良妻(このシーンは思わず涙が出ました)
小笠原さんのプライベート、ジョギングシーンはめちゃくちゃ可愛い
杉江さんは白ひげ長老姿に
山田まさしは演出から監督へと大出世
木下監督は自宅でやや鬱状態、おまけにさらに太る
平岡と太郎はさらに仲良し
改めて「SHIROBAKO」とはどんな作品?
「SHIROBAKO」という作品は、全24話からなる長編オリジナルのアニメ製作の群像劇作品。新入社員でアニメの制作進行を任された宮森あおいが仕事を通じて、働く楽しさ、辛さ、現実、を知り困難を乗り越えていく、、そんなストーリー。アニメ業界で宮森が体験することは、自分も同じ社会人として業界業種は違えども、自分の会社や職場でもこんなことがあるな~と共感出来たからこそ楽しめた作品。
劇場版で期待していたこと=SHIROBAKO名シーンのカタルシス
2014年の作品なので忘れているお話し、忘れていた名言・名シーンは多いかと思いますが、改めて整理すると神回ばかりのSHIROBAKO。特に23話のづかちゃんの苦労と努力が報われて号泣した人は多いのではないかと思います。残念ながら23話に匹敵するような名シーンは劇場版にはなかったです。
3話 万策尽きた〜
5話「人のせいにしてるヤツは辞めちまえ」
7話「ネコでリテイク」
12話「えくそだす・クリスマス」杉江3日伝説
16話「ちゃぶ台返し」エンゼル体操、小笠原の鎧、井口のアリア完成
18話「メシアの帰還」頼もしい矢野さんのただいま
19話「釣れますか?」矢野と平岡、武蔵野歴史
21話「クオリティを人質にすんな」
23話「続ちゃぶ台返し」
24話 文句なしの最終話
21話の「クオリティを人質にすんな」が一番心に響いた回
個人的に21話の平岡のセリフは今でも忘れられません。働く仲間が皆優秀で、やる気やモチベーションが高く、仕事のスピードが速い、能力が高い、人間関係良好でトラブルや争いもない、、、そんな理想な職場は夢物語。現実は、限られた時間、納期、資金、人材不足、やる気のない仲間、無脳な同僚、理不尽に起こる上司、などなど。宮森と平岡。理想と現実。この仕事に対する問いかけをする話しはとても考えさせられました。そのような現実をどこまで理想に近づけていくのかが仕事の醍醐味であるとも思います。
SHIROBAKOにOVA作品があったことを初めて知りました。
アニメのBDは買わない派なので全然知りませんでした。
「えくそだす」「第3飛行少女隊」とまさかのOVAが1話ずつあり非常に驚きました。
さいごに
ガルパンでおなじみの水島監督が「SHIROBAKO」の劇場版を担当と期待はしていましたが、全体的に感想が難しい仕上がりになってしまったように感じました。キャラ祭り要素は強めだったのでSHIROBAKOファンは楽しめます。ただやはり今ひとつという感想を抱くかもしれません。